パリ国際農業見本市 2017|フランス最大級の展示会を巡る買い付け旅 Vol.1【現地取材】

パリ国際農業見本市 2017|フランス最大級の展示会を巡る買い付け旅 Vol.1【現地取材】

2015年に起業してから初となるパリ出張。実は、学生時代の留学を終えて以来、およそ2年半ぶりの訪問となりました。今回は仕事として訪れるパリということで、これまでとは違う視点で街を見ることができました。

正直なところ、留学中のパリにはあまりいい思い出がなく、キャッシュカードの盗難やスリなどの苦い経験ばかりが頭に浮かびます。ですが、そんな過去の記憶を乗り越えるような大きな転機となったのが、「いつかパリで仕事がしたい」という、当時抱いた漠然とした夢でした。

パリの街並み

そんな想いを胸に訪れた今回の目的は、欧州最大級の農業展示会「パリ国際農業見本市(Salon International de l’Agriculture)」の視察と、ブルーダルジャンのオーナーとの面会、新しい輸入雑貨の買い付けです。

会場はまるで農業版の万博!

パリ中心部からUberで30分ほどの「パリ・エキスポ ポルト・ド・ヴェルサイユ(Paris Expo Porte de Versailles)」が会場。8つあるパビリオンのうち、パビリオン7を除くすべてが使用されるほどの大規模展示会です。お祭りのような賑わいで、訪れただけでワクワクする雰囲気でした。

会場の様子

特に印象に残ったのが、家畜展示のあるパビリオン1。生きた牛や豚、羊が所狭しと並び、すぐ隣ではそのお肉を使った料理を提供している…という、日本ではなかなか見られない風景が広がっていました。独特のにおいもあり、まさに五感で“農”を体感できる空間でした。

家畜展示

この展示会の面白いところは、単なる業界向けの商談会ではなく、一般客も14ユーロ(約1,800円)で入場できるという点。実際、家族連れや学生の姿も多く、まるでテーマパークのような活気がありました。1週間で約62万人が訪れるのも納得です。

地方の魅力が集結するパビリオン3

今回のメインの目的地がパビリオン3。ここではフランスの13地域それぞれの名産品が一堂に会し、地元の生産者が自ら商品の説明や販売を行っています。ブルーダルジャンも、ここプロヴァンス地方ブースで初出展していました。

パビリオン3の展示

環境に配慮した製品を集めたパビリオン4、海外領土や他国のブースが並ぶパビリオン5、馬や犬の品評会が行われるパビリオン6と、見応えのある内容が続きます。こうしてフランス全土の農と食が一堂に会する機会はそうそうないだけに、農業がこの国でどれほど大切にされているかを実感しました。

政治家やメディアも注目する一大イベント

フランスでは、農業は文化と経済の両面で重要な産業。そのため、大統領や各政党の代表も来場し、テレビ局も連日取材を行うほどの注目度です。有名シェフの実演や、芸能人による試食シーンも多く、見本市というよりも「フランスの農業フェスティバル」と言った方がふさわしい雰囲気でした。

展示会を通じて、地方の小さな農家やメーカーが直接バイヤーとつながり、世界に羽ばたくきっかけを得られるのも大きな魅力です。私自身、こうした現場を通じて、日本での展開に可能性を感じる商品にもいくつか出会うことができました。

Vol.2へ続く…

というわけで、今回はビジネスとして訪れたパリという街で、まったく新しい視点を得ることができました。観光だけでは見えてこない“リアルなパリ”に触れたことで、改めてこの街の奥深さを感じています。

ノルマンディーのゆるキャラ

…ちなみに最後に登場したこのマスコットは、ノルマンディー地方のキャラクターだそうです。フランスでも「ゆるキャラ」文化がじわじわ来ているのでしょうか?(笑)

次回Vol.2では、実際に出会ったプロヴァンス地方の生産者や、展示された製品の詳細をご紹介していきます。

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