南仏ラベンダー街道とは?見学時期・ルート・アクセス方法まとめ

南仏ラベンダー街道とは?見学時期・ルート・アクセス方法まとめ

今回は、南仏プロヴァンス観光局も推薦する「ラベンダー街道」についてご紹介します。

ラベンダー街道とは、南フランス・プロヴァンス地方の象徴であるラベンダー畑を巡る観光ルートのこと。自治体観光局が連携して整備しており、その総延長はなんと約1,000kmに及びます。レンタカーやサイクリング、ハイキングなど、自由な旅のスタイルで楽しむことができ、一面に広がるラベンダーの絶景は、まさに圧巻です。

街道沿いには蒸留所やラベンダー博物館、ショップなども点在し、運が良ければ夏のラベンダー祭や収穫イベントに出会えることも。観光ガイドによって紹介ルートは若干異なりますが、今回は両方の特色を織り交ぜたオリジナルルートをご案内します。

ラベンダー街道の位置とルート全体図

詳しいラベンダー畑の場所やおすすめルートについては、以下のリンクもご参考ください。

このマップをご覧いただくとお分かりのように、南仏プロヴァンス地方にはラベンダー畑が広範囲に広がっており、まるで巨大な香りの迷路のようです。東はグラース、西はアヴィニョンやエクサン=プロヴァンスなど、さまざまな都市からアクセス可能で、田舎道を走っていれば自然とラベンダー畑に出会えることもしばしば。

アクセス方法と旅のスタイル

プロヴァンスの田舎道とラベンダー畑

ラベンダー街道は公共交通機関がほとんど通っていないため、移動手段の選択がとても重要になります。以下に、代表的な3つの旅のスタイルをご紹介します。

① ラベンダーツアーに参加する(初心者向け)

最寄り都市の観光案内所では、半日〜1日のガイド付きツアーを開催しています。初めての方や短期滞在には最も安心な方法です。

難易度:やさしい
費用目安:半日50ユーロ / 1日100ユーロ

② レンタカーで自由にドライブ(中〜上級者向け)

国際免許証があれば、ラベンダー街道を自分のペースで巡ることができます。民宿に宿泊しながらのんびり旅するのもおすすめ。

難易度:やや高い(要国際免許 / 最低限の語学力)
費用目安:1日60ユーロ〜

③ 自転車やヒッチハイクで気ままな旅(上級者向け)

マノスクやディーニュ・レ・バンまで鉄道で移動し、そこからはVTT(電動マウンテンバイク)で街道を走る冒険的スタイル。帰路と宿泊の計画は事前にしっかりと。

難易度:高い(体力・土地勘・勇気が必要)
費用目安:0〜30ユーロ

セナンク修道院とラベンダー畑

旅の拠点におすすめの街 3選

① アヴィニョン(Avignon)

「アヴィニョンの橋」で有名な歴史都市。美術館やカフェも多く、旅のはじまりに最適。観光案内所ではツアーやレンタカーの手配も可能です。

アヴィニョン観光案内所

② エクサン=プロヴァンス(Aix-en-Provence)

石畳の街並みが美しい、文化香る街。TGV駅があるためアクセス抜群。観光案内所で情報収集もスムーズです。

エクサン=プロヴァンス観光案内所

③ ディーニュ・レ・バン(Digne-les-Bains)

アルプ=ド=オート=プロヴァンス県の県都。自然とアクティビティの宝庫で、レンタルサイクルやハイキングにも最適です。

ディーニュ・レ・バン観光案内所

ラベンダー畑の見学マナーと注意点

ゴルドのラベンダー畑と観光客

ツアーで訪れる場合は特に心配いりませんが、レンタカーや自転車で自由に巡る場合には、畑の見学ルールに戸惑うことがあるかもしれません。

基本的に、街道沿いのラベンダー畑は観光客に開放されています。案内板や看板がある場所では、写真撮影や散策も歓迎されていることが多く、ラベンダーショップや農園が併設されている場合には、見学ツアーやガイドが用意されていることもあります。

ただし、立ち入り禁止の表示(Do not enterなど)がある場所には絶対に入らないようにしましょう。また、収穫期(7月中旬〜8月上旬頃)は農家の方々も忙しく働いていますので、迷惑にならないよう注意が必要です。

収穫中のラベンダー畑の様子

農作業中は「Bonjour!(こんにちは)」のひと言を

もし農作業中の農家さんが近くにいた場合は、ひと声かけてからの見学を。笑顔で「Bonjour!」と挨拶するだけで、快く迎えてくれることが多いのがプロヴァンスの魅力です。帰り際には「Merci!(ありがとう)」の言葉も忘れずに。

私も収穫中の農園で声をかけて撮影許可をいただいたことがありますが、ほとんどの方がとても親切に対応してくれました。

迷ったら、ガイドツアーを活用しよう

「どこまで入っていいのか不安…」という方は、迷わず観光案内所で案内されているガイドツアーに参加するのがおすすめ。私自身、初めての訪問はアヴィニョン発のツアーに参加しましたが、とても安心して楽しめました。慣れてきたら、自力の旅にチャレンジするのも良いかもしれません。

バレーム蒸留博物館で香りの歴史を体験

ラベンダー文化を深く知りたい方には、南仏バレームという小さな村にある「ラベンダー蒸留博物館」の訪問がおすすめです。私たちブルーダルジャン農園とも関係の深い「バレーム蒸留博物館」。1905年創業の蒸留所の建物をそのまま活用した歴史的施設で、古典的な蒸留器や映像資料、香料文化にまつわる展示が充実しています。

アロマセラピストや香水関係者はもちろん、一般の旅行者にとってもラベンダーの世界を多角的に学べる貴重な場所です。

バレーム蒸留博物館の館内ショップ

バレーム蒸留博物館の外観

営業日:7月1日〜9月20日(毎日)/ 9月21日〜9月30日(週末)
営業時間:10:00〜13:00/14:30〜18:00
入場料:5ユーロ(7歳未満は無料/学生・家族割引あり)
アクセス:プロヴァンス鉄道「バレーム駅」下車 徒歩3分

ブルーダルジャン農園で香りの源にふれる

ブルーダルジャン農園の風景

ラベンダー街道の東側、ヴェルドン自然公園の山あいに位置する私たち「ブルーダルジャン農園」では、在来種の真正ラベンダーの栽培から蒸留までを一貫して行い、その香りの奥深さを直接体感できるガイドツアーを開催しています。

ツアー内容:栽培・蒸留施設の見学、ラベンダーの歴史解説、香りの使い方講座、刈り取り体験(ブーケ付き)
開催期間:7月上旬〜8月上旬(収穫期)
時間:午前9:00〜正午(要予約)
料金:大人12ユーロ/子ども5ユーロ
アクセス:ディーニュ・レ・バンから車で1時間

ブルーダルジャン農園のラベンダー刈り取り体験

蒸留所には直営ショップも併設しており、現地で精油や石鹸などのお土産も購入いただけます。見学をご希望の方は、当サイトのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。(※農園まで自力でアクセスできる方が対象です)

おわりに

今回は、少し冒険心をくすぐるような視点で「ラベンダー街道」の魅力をお伝えしました。ツアーでも、自力でも、どんなスタイルでも楽しめるのが南仏の良さ。香りと出会い、景色と対話しながら、あなただけの“香り旅”を見つけていただければ幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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