南仏プロヴァンス地方のラベンダー巡礼旅|アルジャン村

南仏プロヴァンス地方のラベンダー巡礼旅|アルジャン村

旅に予定調和はない。

7月31日(火)、マノスクでの最終日。一通のメールが届きました。

「私たちは8月2日(木)からラベンダーの収穫をすることにします。8月6日(月)以降はずっと雨の予報なので、出来るだけ刈り取ってしまいたいと考えております。そして、8月6日(月)には刈り取ったラベンダーを蒸留しようと考えています。Bonne Journée!」

な、なんだと!!???

私の予定では、8月1日〜5日までグラースなど香水の都を巡り、ラベンダー文化が興隆した起源を辿ろうと考えていたのに… そして、8月6日に日本からのお客様をお連れして一緒にアルジャン村まで行こうとしていたのに…!!!!

ラベンダーの収穫に来たのに、ラベンダーが刈り取られてしまったら意味がないじゃないか!

というわけで、急遽予定を変更。泣く泣くグラース行きは断念し、アルジャン村へ向かうことに。

予定変更を決断した瞬間

プロヴァンスを横断するバスの旅

8月1日(水)、マノスクからバスでオート=プロヴァンス県の県都ディーニュ・レ・バンへ。

バスは「Ligne Express Régionales」という地方路線バス。地方とは思えないほど清潔で快適。約1時間の移動もゆったり過ごせます。

Ligne Express Régionalesの車内 車窓からの風景

バスの車窓からは、果てしなく広がるぶどう畑。プロヴァンスといえばロゼワイン。夏の夕暮れにぴったりの一杯が思い浮かびます。

ディーニュ・レ・バンで温泉と鉄道の歴史に触れる

「レ・バン」は温泉を意味するフランス語。ディーニュの温泉は、古代ローマ時代から続くテルマリズム(湯治)の伝統を守り、医師の処方のもとで入浴するスタイル。

ディーニュ駅に到着

ラベンダーのための鉄道、プロヴァンス鉄道

ディーニュからは、1891年創設の「プロヴァンス鉄道」に乗車。ニース〜ディーニュ間をつなぐ路線で、かつてはラベンダーを運ぶために利用されていたことも。

プロヴァンス鉄道の車両

山岳地帯に近づくにつれ、景色はぶどう畑から岩肌が露出する渓谷風景に。地層はなんと1億5千万年前のもの。プロヴァンスはジュラ紀の海底だったのです。

地層がむき出しの崖

サンタンドレ=レ=ザルプ到着、いよいよアルジャン村へ

鉄道の終点「Saint Andre les Alpes」に到着。人口約900人の静かな町。ここでブルーダルジャンのオーナーと合流し、車で30分のアルジャン村へ。

サンタンドレの町並み 駅からの風景

ブルーダルジャン農園と再会

アルジャン村到着 ラベンダー蒸留所外観

到着したブルーダルジャン農園の蒸留所は、村の入り口にひっそりと佇む一棟の建物。明日からの収穫を前に、急いで撮影を開始しました。

曇天のラベンダー畑

ラベンダーのある暮らしと「半住民」たち

アルジャン村には通年住んでいるのはわずか8人。ですが、夏のバカンス時期になると、パリやニースからの「半住民」が空き家に滞在します。スーパーマーケットもないこの村で、自然と不便を楽しむ暮らし方。

ラベンダー畑と村の風景 山に点在する畑 撮影中の風景 夕暮れ時の畑

まさかの雷雨、そして収穫延期へ

撮影中、突如として空が曇り、雷雨が…。濡れたラベンダーは収穫できず、予定は延期に。

空模様の変化 本降りの雨 雨に打たれるラベンダー

この先しばらく雷雨予報。果たしてこの3週間の滞在で、無事に収穫と蒸留を迎えられるのか…

つづく。

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